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肥料用語ディクショナリー

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あ行

秋落ち水田【(読み)アキオチスイデン】
収穫間際になって、急激に水稲の下葉が枯れ上がり、穂も成長せず収量が少なくなるという現象が起こる水田のことで、硫化水素の発生により水稲根に障害を起こすことが原因です。遊離酸化鉄の溶脱が進んだ老朽化水田で起こります。

油かす【(読み)アブラカス】
普通肥料。ダイズ、ナタネなどの種子から油をとったあとのかすで、窒素4~7%、リン酸1~3%、加里1~2%を含みます。魚かすに比べると肥効の発現はやや遅くなり、施設園芸などでよく利用されています。歴史的にも昔からよく利用されている肥料の一つです。

アルカリ分【(読み)アルカリブン】
肥料中に含まれる可溶性石灰の量、または可溶性石灰と可溶性苦土の酸化カルシウムに換算された量の合計量をいいます。

ウレアホルム/ホルムアルデヒド加工尿素肥料【(読み)ウレアホルム/ホルムアルデヒドカコウニョウソヒリョウ】
普通肥料。緩効性肥料のひとつで、尿素とホルムアルデヒドの縮合反応によって生ずるメチレン尿素を主成分とする混合物です。公定規格では、窒素35%以上、内、水溶性窒素50%以上、尿素態窒素20%以下とされています。水に難溶性の窒素化合物が多く含まれ、土壌中では主として微生物によって分解、有効化します。

FBM【(読み)エフビーエム】
熔成微量要素複合肥料の一つで、マンガン、ホウ素が主成分の肥料です。く溶性マンガン20%、く溶性ホウ素10%の他、く溶性苦土8%を含みます。緩効性なので流亡がなく、また、ホウ素などの過剰症もでにくいので、利用しやすい微量要素肥料として、複合肥料の原料として多く使用されています。

塩化加里(塩加)【(読み)エンカカリ(エンカ)】
普通肥料。シルビニットなどの加里鉱石および塩水から分離・精製されたカリウムの塩化物で、日本には加里鉱を産出するカナダ、ロシア、ドイツ、ヨルダンなどから輸入されています。純品は白色の結晶で加里63.2%を含みますが、市販品は加里60%のものがほとんどです。原料、製法により灰色、淡紅色のものがあります。水にとけやすい速効性の代表的な加里肥料です。

塩基置換容量(CEC)【(読み)エンキチカンヨウリョウ】
陽イオン交換容量ともいい、土壌のプラスイオン(塩基)を保持する能力を示す値です。塩基置換容量が大きい程、保肥力が高いといえます。土壌中に有機物や腐植が多いと、塩基置換容量は高くなります。

塩化アンモニア(塩安)【(読み)エンカアンモニア(エンアン)】
普通肥料。食塩からソ-ダ灰を製造する際に発生する塩素をアンモニアと反応させたもので、白色、無臭の結晶、生理的酸性の肥料です。アンモニア性窒素を主成分とし理論上は26.18%の窒素を含有していますが、市販品は25.0%以上の含有のものが多くなっています。水に溶けやすく、常温での吸湿はあまりありません。速効性の窒素肥料の代表的なものの一つで、繊維質作物(水稲、イグサなど)には特に適しており、倒伏防止効果があるといわれています。サツマイモ栽培などでは、「スジっぽくなる」としてあまり用いません。

か行

過繁茂【(読み)カハンモ】
肥料、特に窒素質肥料を必要以上に与えると、栄養成長(葉、茎、枝の成長)が続き生殖成長(花、種子、果実の生産)への転換ができなくなってしまいます。この栄養成長ばかりが進んでいる状態を過繁茂と呼びます。

加里【(読み)カリ】
加里はほとんどのものが水に溶け、容易に作物に吸収利用されます。有機質の形のものもありますが、これも速やかに微生物に分解されるため速効性があります。加里が過剰だと苦土欠乏を引き起こすため、施設栽培や多量のきゅう肥の施用には注意が必要です。

加里の働き【(読み)カリのハタラキ】
植物体中のでん粉、糖分、たん白質の生成を助け、体内での移動や蓄積にも関与している成分です。加里の働きには、(1)開花結実の促進 (2)日照不足時に生育を促す (3)水分の蒸散作用を調節 (4)根の発育促進などがあります。窒素に次いで植物の吸収量の多い養分です。

過リン酸石灰【(読み)カリンサンセッカイ】
普通肥料。リン鉱石に硫酸を作用させて製造したリン酸質肥料のことをいいます。通常、灰白色の粉末又は粒状で、リン酸全量17~20%、可溶性リン酸15%以上、水溶性リン酸13%以上を含む、速効性の酸性肥料です。硫酸カルシウムを約60%含有しています。この硫酸根は、硫黄を多く吸収する作物では、リン酸の肥効を助長する働きがあるといわれ、リン酸欠乏土壌では特に高い施用効果が認められます。過リン酸、過石と略す場合が多く、またSPと呼ばれることもあります。

乾血及びその粉末【(読み)カンケツおよびそのフンマツ】
普通肥料。家畜と殺の際の血液を加熱、凝固させ、脱水・乾燥させたもので、窒素を10%以上含む動物性有機質肥料です。

乾燥菌体肥料【(読み)カンソウキンタイヒリョウ】
普通肥料。乾燥酵母や、酵母から核酸を抽出したかす、またはグルタミン酸発酵廃液や酵母培養廃液を浄化した際、または食品工場などの排水を活性汚泥法により処理した際に得られる菌体を、加熱乾燥したものです。窒素全量5.5%以上または4.0%以上(リン酸または加里を含有する場合)を含有し、肥効は油かすに似ています。

魚かす粉末【(読み)ギョカスフンマツ】
普通肥料。生魚を煮沸したのち、圧搾して水分及び脂肪の大部分を除いたかすを乾燥粉砕したものをいいます。一般に「魚かす」という場合は肉質部の多い身かすを指し、可食部をとったあとの骨が多いものは荒かすと呼ばれます。窒素9~10%、リン酸4~6%を含んでおり、特にリン酸は骨粉と同じ効果があるといわれます。ニシン、イワシ、雑魚などが原料となりますが、最近は漁獲量の減少、飼料への需要増大などで、単独での施用は少なくなり、もっぱら肥料の原料として配合されたものが多くなっています。なお、未粉砕のものは、魚かすとして特殊肥料に指定されています。

キレート【(読み)キレート】
一般に多座配位子が同一金属に配位し、環状構造を有する化合物をいいます。キレートの形になると、沈殿が防止され金属の溶解性が高まるため、液肥などで利用される他、土壌中では腐植酸によるキレート効果で成分を吸収しやすくなるとともに、肥料効果が高まるといわれています。

苦土(マグネシウム)【(読み)クド(マグネシウム)】
一般の肥料成分の他、土壌改良資材としてpH矯正を目的に使用されることがあります。
[炭酸苦土石灰]:土壌のpH矯正力を持ち、苦土の補給もできます。
[硫酸マグネシウム]:pHを左右させないで、苦土の補給ができます。
[ようりん]:pH矯正力があり、同時に苦土、リン酸、ケイ酸の補給もできる資材です。

公定規格【(読み)コウテイキカク】
肥料取締法に基づき、普通肥料の種類ごとに農林水産大臣が定める規格です。肥料の種類ごとに「含有すべき主成分の最小量(%)」、「含有を許される有害成分の最大量(%)」、「その他の制限事項」を規定してあり、肥料を登録するための最低条件になります。この規格を充たし、登録を受けた肥料のみが、生産、輸入、販売ができます。

高度化成肥料【(読み)コウドカセイヒリョウ】
通常肥料の3要素(窒素、リン酸、加里)のうち、いずれか2種以上を含み、かつその合計成分量が30%以上の化成肥料を指します。統計上、窒素源(アンモニア)またはリン酸源(リン酸液)のいずれか一方を生産する工場で製品化されたものを高度化成とし、リン安などを購入して製造したもの、その他の方法で高成分となった化成肥料は高度配合式化成として高度化成と分けていますが、使用に際しての両者の差は全くありません。

混合有機質肥料【(読み)コンゴウユウキシツヒリョウ】
混合有機質肥料は、有機質肥料同志を混合したもの、または有機質肥料に米ぬか、発酵米ぬか、乾燥藻などを混合したもの、あるいはこれらに血液、または豆腐かすを混合し乾燥したもので、窒素、リン酸または加里のいずれか2種以上を含み、かつ、その合計量が6.0%及び窒素全量1.0%以上でなくてはならないと規定されています。また、リン酸全量、加里全量の最小保証量は1%となっています。

苦土(マグネシウム)の働き【(読み)クド(マグネシウム)のハタラキ】
葉緑素の構成元素で、他には(1)植物の新陳代謝を盛んにする (2)たん白質や脂肪の合成に必要 (3)体内でのリン酸の移動を助けるなどの働きをします。

家畜及び家きんふんの燃焼灰【(読み)カチクおよびカキンフンのネンショウバイ】
特殊肥料。家畜や家きん(ニワトリ)のふんをボイラーで燃焼し、灰状にしたものです。一般にはブロイラーけいふんの割合が多くなっています。カリを豊富に含む良質の肥料です。燃焼すれば、臭気も抑えられ扱いも容易になります。

緩効性肥料【(読み)カンコウセイヒリョウ】
速効性肥料より分解が遅く、肥料効果の持続性の高い肥料をいい、大きく次の二種類があげられます。(1)動植物有機質肥料:土壌中で微生物により無機態に分解されて作物に吸収される肥料。(2)化学合成緩効性肥料(ウレアホルム、IB、CDU、コーティング肥料):化学的、物理的、生物学的に土壌中に溶け出す速度、分解速度を調整した肥料。

さ行

硝酸加里(硝加)【(読み)ショウサンカリ(ショウカ)】
普通肥料。硝酸のカリウム塩のことで、塩化カリウムまたは水酸化カリウムと硝酸、あるいは塩化カリウムと硝酸ナトリウムから生産されます。硝酸性窒素13%、水溶性加里44%を含有し、肥効有効成分の高い肥料です。窒素源が全て硝酸なので、土壌の悪化を防ぎ、植物体への吸収・利用に優れるなどの性質を持ちます。他の硝酸塩や塩化加里より吸湿性が少なく扱いやすいのですが、火薬等の原料にもなるため消防法で危険物に指定されています。たばこ用、園芸作物用の複合肥料の原料として使用されています。

蒸製骨粉【(読み)ジョウセイコップン】
普通肥料。動物の生骨を加圧蒸製し、油分およびたん白質の一部を除去して乾燥・粉砕したものです。窒素3.0~4.0%、リン酸17.0~24.0%を含みますが、動物の種類や年齢で成分に幅があります。リン酸は土壌に固定されにくく、また窒素とともにゆるやかに肥効を発現します。現在流通されている骨粉の大部分は、この蒸製骨粉です。なお未粉砕のものは蒸製骨として特殊肥料に指定されています。

蒸製皮革粉【(読み)ジョウセイヒカクフン】
普通肥料。製革工場及び皮革加工業者より排出される皮革くずを加圧・蒸解して粉砕したものをいいます。生皮のなめし方法により、タンニンなめし、クロムなめしの蒸製皮革粉がありますが、タンニンなめしものは6.0~7.5%、クロムなめしものは11.0~12.5%の窒素を含んでいます。通常、皮粉(かわこ)と呼ばれています。

蒸製毛粉(フェザーミール)【(読み)ジョウセイモウフン(フェザーミール)】
普通肥料。 動物の毛や羽毛を加圧蒸製して粉砕したものをいいます。窒素5.0~14.0%を含み、肥効は緩効的です。蒸製毛粉は、家畜のたん白質源として飼料にも使われています。

ゼオライト【(読み)ゼオライト】
土壌改良資材。土壌鉱物の一種で、ナトリウム、加里、石灰、アルミニウム、水などを含むケイ酸塩が主成分です。保肥力が強いので、土壌改良材として畑や園芸用培土、鉢物用培土に混入して使用しています。

石灰(カルシウム)【(読み)セッカイ(カルシウム)】
石灰は土壌改良材として主にpHの矯正を目的に使用されます。
[生石灰]:いわゆる石灰のことで、資材の中で最もpH矯正力がありますが、強すぎるためほとんど使用されません。
[消石灰]:水酸化カルシウム。pHの矯正力は生石灰に次いであり、土壌改良材として使われています。
[炭カル]:炭酸カルシウム。pHの矯正力はあまりありませんが、徐々に効果をあげることができるので、使用するには一番安全な資材です。
[石膏]:硫酸カルシウム。pH矯正力はありませんが、カルシウムとしての養分補給は可能です。

石灰(カルシウム)の働き【(読み)セッカイ(カルシウム)のハタラキ】
ペクチン酸と結合して、植物の細胞膜の生成と強化に関係している成分です。石灰の働きには、(1)植物体内の害となる“有機酸”を中和し健全にする (2) 葉緑素の生成 (3)病害への抵抗力を強くする (4)硝酸態窒素の吸収を助け、苦土や加里等の吸収を調整する (5)重金属等の有害作用を軽減するなどがあります。

石灰質肥料【(読み)セッカイシツヒリョウ】
主として土壌の酸度矯正を目的とするアルカリ分を保証する肥料のことをいいます。石灰質肥料には、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム肥料、貝化石肥料、副産石灰肥料及び混合石灰肥料の6種類があります。

石灰窒素【(読み)セッカイチッソ】
生石灰にコークスなどを混合、加熱しできたカーバイドに、窒素ガスを吸収化合させたもので、黒色の粉末で独特の臭気があります。主成分はカルシウムシアナミドで、土壌中で分解しアンモニアとなって植物に吸収されます。カルシウムシアナミドは分解の過程で、少量のシアナミドを生成し、これが硝酸化成を抑制するため、窒素の肥効は長続きします。粒状のものは散布時の飛散を防げるので扱いやすい利点をもっています。肥料の他に農薬としての効果(殺虫、殺菌、除草)もあるので、使用の際は充分注意が必要です。

草木灰【(読み)ソウモクバイ】
植物を燃焼して得られる灰分で、植物由来の加里肥料です。加里3~9%、リン酸3~4%、石灰1~2%を含み、アルカリ性を呈します。加里の80~90%は水溶性で、塩化加里や硫酸加里と同様に速効性の肥料です。

側条施肥【(読み)ソクジョウセヒ】
施肥方法のひとつで、特に水稲で省力、施肥量低減を目的に近年増加している方法です。田植えと施肥を同時に行い、肥料を苗の根の近くに施すことにより、初期の発育を活発にし、肥料の流亡を抑えます。

速効性肥料【(読み)ソッコウセイヒリョウ】
いわゆる速ぎきの肥料で、土壌に施したとき速やかに作物に吸収利用され、肥効を現す肥料です。速効性肥料の大部分は水溶性で、通常の無機質肥料(化学肥料)はほとんどこれに属します。

硝酸アンモニア(硝安)【(読み)ショウサンアンモニア(ショウアン)】
普通肥料。 硝酸にアンモニアを加えて中和し、これを濃縮、結晶させたものをいいます。窒素32.0~34.0%を含み、その1/2量ずつがアンモニア性窒素と硝酸性窒素の、生理的中性の速効性肥料です。吸湿固結しやすいので、固結防止剤が加えられているものがあります。硝酸態窒素とアンモニア態窒素の両方の性質を持つため、畑作一般や寒冷地、液肥などに広く使用されています。特定条件の元で爆発性があるので、大量に取り扱うときは特に注意を要します(消防法で危険物として指定されています)。

た行

たい肥【(読み)タイヒ】
特殊肥料。ワラ、モミガラなどを堆積、発酵させたものです。窒素源として石灰窒素などを添加することもあります。家畜の糞尿など動物性のものを加えた場合は、きゅう肥といって、厳密にはたい肥と区別しますが、両者を合わせて、たいきゅう肥、または単にたい肥と呼ぶこともあります。成分は、原料や製造法によってかなり異なりますが、おおよそ窒素0.30~0.62%、リン酸0.04~0.28%、加里0.38~1.38%、その他ケイ酸、石灰、苦土及び微量要素を含みます。たい肥中の有機物は土壌中で分解されて腐植となり、土壌の理化学性質の改善(柔らかくする、保水性・保肥性を増すなど)、微生物相を良好にするなどの効果があります。たい肥は、単年の効果よりも累積効果が大きいので、毎年続けて施用する必要があります。

炭素率/C/N比【(読み)タンソリツ/シーエヌヒ】
土壌や有機物中の炭素(C)と窒素(N)の比率をいいます。炭素率は有機物の腐熟の度合いを示し、未熟のものは高く、十分に分解が進んだものは低くなります。炭素率が20以上の有機物を施用すると、微生物と植物の間で窒素の取り合いが起こり、植物が窒素飢餓を起こす可能性があるので注意が必要です。

団粒構造【(読み)ダンリュウコウゾウ】
土壌の単一粒子が集まって大きな粒子の集合体になっている構造のことをいいます。団粒は丸味を帯びており、有機物・石灰の多い表層土に見られます。団粒の発達した土壌は孔げきが多く、保水力に優れ、空気の流通もよい、植物の生育にとって好ましいものです。強く圧すると崩れてしまうため、注意を要します。

窒素【(読み)チッソ】
窒素は有機質、尿素、アンモニア、硝酸などの形で土壌に施されます。植物は低分子のアミノ酸などは吸収できますが、ほとんどはアンモニア、硝酸の形で窒素を吸収しています。硝酸態窒素は、低温でも吸収されやすい、加里、カルシウム、マグネシウムなどとの拮抗作用がないなどの特徴を持っています。アンモニア態窒素は、土壌からの流亡が少ない、硝酸態窒素に比べ吸湿性が低く扱いやすいなどの特徴があります。

窒素の働き【(読み)チッソのハタラキ】
植物の細胞原形質の主成分であるたん白質の構成成分で、植物の生育にとって最も重要な要素です。窒素の主な作用としては、(1)細胞の分裂や増殖 (2)根、茎、葉の生育を促す (3)炭酸同化作用を盛んにする などがあります。過剰に施すと、過繁茂を引き起こします。

特殊肥料【(読み)トクシュヒリョウ】
肥料取締法で、米ぬか、魚かすのような農家の経営と五感によって識別できる単純な肥料、たい肥のような低成分で品質が一定せず公定規格が設定しえない肥料で農林水産大臣が指定した肥料のことで、普通肥料に対比していいます。特殊肥料については品質の保全及び公正な取引きの確保のため特別な措置を要しないと認められることから、都道府県知事に届け出さえすれば販売できることになっています。

土壌の三相分布【(読み)ドジョウのサンソウブンプ】
土壌は、固相、液相、気相の三つの相から成り立っています。作物の良好な生長には、土壌粒子の間に、水分と空気がバランス良く分布していることが必要です。有機質を施用した土壌では団粒構造が発達し、気相、液相の割合が増えてきます。また、たい肥やピートモスなども通気性や保水力を高め、良好な三相分布の形成に寄与しています。

土壌微生物【(読み)ドジョウビセイブツ】
土壌中に生息する微生物の総称で、(1)植物系(細菌、放線菌、糸状菌)(2)動物系(原生動物、線虫類)があります。微生物は、土壌中の有機質肥料などを分解して腐植を作り、また窒素成分をアンモニアあるいは硝酸態にする他、ケイ素、リン、アルミニウム、マグネシウム、カリウム等も植物が吸収できるような形に変える働きをします。また土に団粒構造を作るのにも重要な役目をしています。

な行

ナタネ油かす及びその粉末【(読み)ナタネアブラカスおよびそのフンマツ】
普通肥料。ナタネの種子から油をとったかすをいいます。搾油の方法により色が異なりますが肥効には差はありません。窒素4.5%、リン酸2.0%、加里1.0%以上を含みます。特にタバコの栽培で好んで用いられます。

肉かすおよび肉かす粉末【(読み)ニクカスオヨビニクカスフンマツ】
普通肥料。食品工業、精肉店、と殺場などから出る、くず肉、皮、脂肪を集めて乾燥し、粉砕したものをいいます。窒素8.0~10.0%を含有しますが、リン酸はあまり含まれません。なお、未粉砕のものは、肉かすとして特殊肥料に指定されています。

肉骨粉【(読み)ニクコップン】
普通肥料。と殺場、食品工場から廃出する肉片、骨類を蒸熱、圧搾して油分を採り粉砕したもの、または肉かす粉末と骨粉を混合したものをいいます。成分は肉と骨の混合割合で異なりますが、通常は窒素5.0~9.0%、リン酸5.0~20.0%を含みます。

尿素【(読み)ニョウソ】
普通肥料。アンモニアと炭酸ガスを高温・高圧で反応させたもので、窒素約46.0%を含み、窒素質肥料中最も窒素含有量が高いものです。白色、無臭の結晶で水に溶けやすく、強い吸湿性を有します。中性肥料で、土壌中で微生物により分解され、アンモニアか硝酸の形で植物に吸収、利用されます、分解後アンモニアと炭酸になるので、連用しても土壌に悪影響を及ぼしにくい、また、硝酸化成を受けやすい、葉面散布でも吸収することができるといった特徴があります。

は行

バーク(樹皮)たい肥【(読み)バーク(ジュヒ)タイヒ】
特殊肥料、土壌改良資材。樹皮に家畜ふんなどを混合し、堆積、発酵させたたい肥です。樹皮は草本性の植物に比べ腐熟しにくいため、充分発酵させてから施用するよう注意が必要です。

pH【(読み)ピーエッチ】
酸度(水素イオン濃度)のことで、水素の数が多いほど酸性、少ないほどアルカリ性になります。pH7(中性)を境に、数値が小さくなる程強酸性、数値が大きくなる程強アルカリ性といいます。肥料では、硫酸や硝酸などは酸性を呈し、カルシウムやマグネシウムなどではアルカリ性を呈します。土壌や植物も極端な酸性やアルカリ性を嫌がり、微酸性~中性を好みます。

ピートモス【(読み)ピートモス】
水苔が土壌中に堆積、泥炭化したものです。保水性・通気性・保肥力に富むので、土壌の物理性改善のため畑に混入したり、軽量で扱い易いことから単独もしくは他の資材と混合して園芸用培土や鉢物用培土として利用します。強酸性のため、未調整のものはあらかじめ消石灰などでpH調整をしてから使用するようにします。また、完全に乾燥させてしまうと後から水をやってもはじいてしまう性質を持っているため、乾燥には注意を要します。

肥料取締法【(読み)ヒリョウトリシマリホウ】
粗悪な肥料の横行を取り締るために明治32年に初めて制定された法律です。その後何回か改正されましたが、現在のような形になったのは第2次大戦後の食糧不足により農業の振興が大きな問題となった昭和25年の改正時です。この時の改正により、肥料の公定規格の設定、登録、検査の制度が定められ、今日に至っています。

肥料の3要素【(読み)ヒリョウのサンヨウソ】
窒素(N)、リン酸(P2O5)、加里(K2O)を肥料の3要素といいます。窒素、リン酸、加里は、ほとんどの植物で吸収量が多く、この内どれか一つが欠けると植物の生育は著しく劣ります。そのため、肥料はこの3要素を中心に成分の構成がなされています。

微量要素【(読み)ビリョウヨウソ】
植物の要求量は少ないのですが、吸収量が極度に少なくなると、その欠乏症におかされる成分で、マンガン、ホウ素、ヨウ素、銅、亜鉛、コバルト、モリブデン、ニッケルなどがあります。しかしこれらの成分は、ある量を越すと、逆に植物に害を与えてしまいます。微量要素の欠乏症が生じたときは、葉面散布でも対応可能な場合が多くあります。

副産動物質肥料【(読み)フクサンドウブツシツヒリョウ】
普通肥料。食品工業、繊維工業、ゼラチン工業、なめし皮製造業で副産物として出てくるもの、他に水産加工業などの排水中に含まれるたん白質などを分離、乾燥したものを含みます。朝日工業で開発した「バイオFミール」は、魚たん白由来の副産動物質肥料で、窒素6.0~7.0%、リン酸3.0~4.0%を含有しています。

腐植酸【(読み)フショクサン】
土壌に含まれる黒褐色の酸性物質で、土壌有機物の代表です。その形は無定形のものから中高分子までと幅広く、炭素50~60%、水素3~6%、窒素1.5~6%で、残りはほとんど酸素で占められています。人工的に作るには、石炭化の進んだ“亜炭”や“褐炭”等を硝酸で分解し、石灰や苦土を加えて中和したものがありますが、これは腐植酸ではなく腐植酸質系物質と呼びます。主に土壌改良資材として保肥力(養分が流れないように掴まえておく力、または量)を高める効果があります。

腐植酸苦土肥料【(読み)フショクサンクドヒリョウ】
普通肥料。石炭又は亜炭を硝酸で分解し得られたニトロフミン酸に、水酸化マグネシウム等の塩基性のマグネシウム含有物を加えた肥料で、く溶性苦土3.0~10.0%、水溶性苦土1.0~3.0%、腐植酸60.0%以上を含みます。腐植酸系肥料の腐植酸は、土壌の理化学性の改良やキレ-ト効果が期待されるといわれています。

普通化成肥料【(読み)フツウカセイヒリョウ】
窒素、リン酸、加里の3成分の合計量が30%未満の化成肥料のことで、高度化成肥料に対し、低度化成肥料ともいいます。有機質を原料として添加した化成肥料もおおむね普通化成肥料に入ります。

普通肥料【(読み)フツウヒリョウ】
農林水産大臣が指定した特殊肥料以外の肥料すべてを指します。普通肥料は、窒素、リン酸、加里などの主成分量によって評価される性格の肥料で、公定規格が定められ、この規格に基づいて登録を受けなければならないこととなっています(ただし、指定配合肥料にあってはこの限りでない)。また、保証成分量や正味重量を記載した保証票の添付等が義務づけられています。化学肥料など、主要な肥料がこの普通肥料に該当します。

ホウ酸肥料【(読み)ホウサンヒリョウ】
普通肥料。ホウ砂を硫酸で処理して得られる、ホウ酸を主成分とする肥料をいいます。水溶性でホウ素55~56%を含有し、アブラナ科などの作物でホウ素欠乏症が発生した際に施用すると効果があります。

穂肥【(読み)ホゴエ】
水稲の栽培において、出穂前約25日ころに施用する肥料のことで、一つの穂につく実の数を多くし、無効分けつを減少させ、止め葉(穂が出る前に展開する最後の葉)の生長を良くする、捻実を良くするなどの効果があります。

ま行

無機化【(読み)ムキカ】
有機態の窒素が植物に利用されるためには、微生物により無機態に分解されなくてはなりません。この微生物による分解の過程を無機化といいます。無機化には有機態窒素がアンモニアに分解されるアンモニア化成と、アンモニアが亜硝酸を経て硝酸に変化する硝酸化成があります。アンモニアから亜硝酸への変化には亜硝酸菌(ニトロソモナス)、亜硝酸から硝酸への変化には硝酸菌(ニトロソバクター)が関与しています。

無機質肥料【(読み)ムキシツヒリョウ】
有機質肥料に対する肥料で、化学肥料ともいいます。化学合成により製造され、水や弱い酸(植物の根から分泌される酸)に溶けて作物に吸収利用されます。一般に速効性なので、植物にすぐ養分を供給したい時に高い効果が得られます。畑では降雨などにより養分が流れ易いこと、間違って大量に施すと植物に害を及ぼしやすい事などが欠点としてあります。

無効分けつ(無効分げつ)【(読み)ムコウブンケツ(ムコウブンゲツ)】
稲は分けつ(分げつ)(茎の本数の増加)しながら生育しますが、分けつが多すぎると実がつかない茎が多くなってしまいます。この結実しない茎の分けつを無効分けつと呼びます。

や行

有機質肥料【(読み)ユウキシツヒリョウ】
肥料取締法では、魚肥類、骨粉類、草木性植物油かす類等の動植物の普通肥料のことをいいます。土壌中で微生物により分解し、無機態になってから植物に利用されるため、肥効は一般に緩効性です。また、窒素、リン酸、加里以外の微量要素を含有する他、土壌の化学的、物理的な改善にも貢献します。成分などに関しては公定規格が定められています。一般にはたい肥やきゅう肥、有機質肥料と無機質肥料を配合した有機化成肥料も有機質肥料と呼ばれています。

有効態リン酸【(読み)ユウコウタイリンサン】
リン酸成分の中で作物に吸収可能な形のリン酸の総称で、水に溶ける水溶性リン酸と、植物の根から分泌される根酸などにより溶解される く溶性リン酸、および有機物の形で存在するリン酸などがあります

熔成りん肥(ようりん)【(読み)ヨウセイリンピ(ヨウリン)】
肥普通肥料。リン鉱石に蛇紋岩等の苦土含有鉱物を混合し、1350~1500度で熔融したのち、高圧の冷水を接触させて急冷・水砕したものです。原料の種類により緑色、黒褐色、灰色を呈します。ガラス状の粉末で、手にささりやすいため、扱いやすくするため粒状、球状に加工したものがあります。リン酸、苦土、石灰、けい酸が主成分で、原料にマンガン鉱またはホウ砂を加えたものはBMようりんと呼ばれます。塩基性肥料で、く溶性リン酸17~26%、く溶性苦土15~18%、可溶性ケイ酸20~27%、アルカリ分40%以上を、BMようりんでは、この他にく溶性マンガン1.0~5.0%、く溶性ホウ素0.5~1.5%を含有します。

ら行

硫酸加里(硫加)【(読み)リュウサンカリ(リュウカ)】
普通肥料。硫酸のカリウム塩で硫加と称します。加里鉱床、加里鉱石の硫酸根を利用して製造できますが、大部分は塩化加里を硫酸マグネシウム、硫酸加里苦土、硫酸ナトリウム、または硫酸で処理して製造しています。白色又は淡黄色の結晶で吸湿性はほとんどありません。水溶性加里45~52.5%を含有し、たばこ用肥料の原料としてよく使用されます。ほとんどを輸入に頼っていますが、少量ですが国産硫加の生産が行われています。多肥になりやすい施設栽培では、塩化加里より硫酸加里の方が害がでにくいため適しています。

リン酸【(読み)リンサン】
植物に利用可能なリン酸には有機質の形、弱い酸に溶ける形(く溶性)、水に溶ける形(水溶性)などがありますが、植物に吸収されるには、溶解してイオンの形になる必要があります。有機質は微生物分解により、く溶性は植物の根から分泌される有機酸によって溶解することによりイオン化します。

リン酸二アンモニア【(読み)リンサンニアンモニア】
リン酸のアンモニウムによる中和化合物で、中和の度合いがpH8程度のものです。水によく溶け、高度化成肥料の原料用として利用されます。代表的な成分としてはアンモニア態窒素18.0%、可溶性リン酸46.0%のものがあります。リン酸一アンモニアとともに、リン安と呼ばれる代表的な肥料です。

リン酸の固定【(読み)リンサンのコテイ】
水溶性のリン酸が土壌に固定され、難溶性となる現象をいいます。リン酸の固定には鉄、アルミニウム、カルシウムとの化合による沈殿形成、土壌粒子表面における水酸基・ケイ酸イオンとの交換による吸収などがあります。

リン酸の働き【(読み)リンサンのハタラキ】
植物の光合成や呼吸作用に関与し、核酸、酵素の構成元素です。リン酸の働きには、(1)成長促進(根、茎、葉の数を増やす) (2)根の伸長、発芽力を盛んにする (3)品質を良くする(花や実の数を多くする、実入りを良くする)などがあります。

硫酸アンモニア(硫安)【(読み)リュウサンアンモニア(リュウアン)】
普通肥料。代表的な窒素肥料で、通常、硫安と呼ばれます。一般には白色の斜法晶系の結晶でアンモニア性窒素20.5~21.0%を含み、水に溶けやすい速効性肥料です。吸湿性は低く、日本ではほとんど問題ありません。硫酸根を持つので酸性土壌、秋落水田に対してはあまり使用しません。畑作に対しては、作物を問わず優れた肥効を示します。

わ行

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